sham2651’s blog

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2019 J1リーグ第9節清水戦レビュー

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今回はJ1第9節アウェー清水戦をレビューします。

両チームスタメンは上記の通り。

まず両チームは前からプレッシャーをかけて高い位置でボールを奪いゴールに素早く殺到する狙いを持って試合に臨みます。解説の戸田さんがハーフラインを超えるかどうかの戦いになると語ったほど両チームが前線からボールに積極的にアプローチする展開が続きます。

その中でよりうまく立ち回ったのが清水でした。清水は2トップ+SHで浦和側最終ラインに圧力をかけ効果的にプレッシャーをかけられました。浦和はアンカーの青木が最終ラインに入って打開を試みるも却って最終ラインが4枚になってしまいより清水のプレッシャーを浴びる格好になりました。前半の浦和側のシュートが1本だったのもそれを裏付けています。

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清水としては前半うちにゴールを奪いたかった展開でしたが、何度かあったショートカウンターの機会をオフサイド等でフイにしたため得点を奪えず前半をスコアレスで終了します。

後半に入り浦和はビルドアップの方法を修正します。まず清水側が前からハメに来た場合、無理せずいったんGK西川に戻します。この際、CBの槙野、鈴木が外に広がりマウリシオが状況に合わせてペナルティエリアの幅で左右に開きます。そして中盤3センターの誰かがDL付近に下がりGK、CB、CHで菱形を形成するようにポジショニングします。

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浦和は56分に長澤、69分に青木がそれぞれビルドアップの出口として機能すると相手陣内に侵入する回数が劇的に向上し試合を優位に進め始めます。清水は運動量の落ちたテセに替えてドウグラスを投入するも前半の再現は出来ず、自陣にリトリートする回数が増えました。結果的に自陣でボールを奪い逆襲に転じた清水のボールを引っかけて「カウンターのカウンター」を繰り出した浦和がCKを奪い、先制すると膠着していた試合の流れが一変し最後は浦和がカウンターからエース興梠が平成ラストゴールとなる追加点を決めて試合を決定づけました。

 

浦和は塩分濃度の高い試合内容ながらこれでリーグ三連勝と波に乗り始めました。特に後半に入りビルドアップの部分で改善が見られたのは今後の前から奪いに来るチームに対するモデルケースとなる試合になりました。とはいえ押し込んだ状況から相手を崩すまでには至っておらず、相変わらず得点パターンはセットプレー絡みとカウンターからという欠点が残っています。また守備でも前からプレッシャーをかけて奪いきる形が出来ず5-4-1リトリートでしのいでいる状況も残ったままです。

次節はホームで磐田と対戦となります。瀕死の名波政権が死に物狂いで勝ち点を奪いに来るのか、はたまた空中分解寸前の状況なのかを含めて注目となる一戦です。また次回お目にかかれればと思います。